ヴァスバンドゥ(Vasubandhu, དབྱིག་གཉེན; c320-400/400-480)世親(または天親)。
無著の弟であり瑜伽行唯識派の大成者。ガンダーラ地方のプルシャプラ(現在のペシャワール)の出身。三人兄弟の次男。無著は長兄。説一切有部において出家した。有部の教義学大全である『大毘婆沙論』を習得した後、それを600頌ほどの偈頌にし、さらに解説を加えたものが『倶舎論』である。しかし実際には経量部の立場からの批判も含まれており、衆賢から批判を
著作(一部)
- 『唯識二十論』
- 『唯識三十頌』
- 『三性論』
- 『縁起経釈』
- 『五蘊論』
- 『釈軌論』
- 『阿毘達磨倶舎論』
参考図書
- 桜部建、上山春平『存在の分析<アビダルマ>』(仏教の思想2)角川文庫ソフィア、1996
- 服部正明、上山春平『認識と超越<唯識>』(仏教の思想4)角川文庫ソフィア、1997
- 三枝充悳『世親』講談社学術文庫、2004
- 長尾雅人、荒牧典俊、梶山雄一訳注『世親論集』(大乗仏典15)中公文庫、2005