Last Updated: 2025.01.27
ཡོན་ཏན་གཞིར་གྱུར་མ་

功徳の基盤

ジェ・ツォンカパ ・ロサンタクパ
[帰敬文]

至尊大師たちに頂礼します。

[師事作法]

すべての功徳の土台である恩師へと

正しく師事する事が道の基礎である

よくこれを思い さらに奮起して

師事奉行できるように加持し給え

[有暇具足]

いま一度だけ得ている有暇具足の所依は

極めて得難いもので大義があるということ

これを知れば昼夜を問わず常に活用しよう

その意志が途絶えずもてるよう加持し給え

[下士道次第]

身の移ろうは水面の泡のようである

ほんの刹那にして死んで去ってゆく

死後もなおまるで身体と影のように

白黒の業果につきまとわれれている

これが現実だと決意を固めるのなら

僅かな罪でさえ犯さぬように勤める

善なる資糧を成し遂げていくことに

常に不放逸であるように加持し給え

[中士道次第]

決して満たされない一切の苦門である

俗世の栄華には惑わされてはならない

それは単なる禍いなのであると厭離して

解脱の楽を強く求める思いを加持し給え

この浄らかな意志を動機とし

正知 正念 不放逸によって

教説の根となっている別解脱戒を

きちんと護持できるよう加持し給え

[上士道次第:共道]

輪廻の苦海に私たちは堕ちている

母 一切衆生もまた同じなのである

これを感じ衆生済度の重責を担わんとし

最勝の菩提心を得られるよう加持し給え

意志はあるとも三聚浄戒を護らずに

菩提が成就してゆくこともないのである

正しく観察した後に勝子の戒律を

しっかりと学べるように加持し給え

誤った対象に散漫するのを鎮め

正しい対象を正しく観察できる

止観のふたつが双運なる道こそが

忽ちに相続へ起こるよう加持し給え

[上士道次第:不共道]

共道を修習して器となった時は

一切乗のなかの最勝たる金剛乗

賢劫の人々の最勝なる津梁へと

難なく向かえるよう加持し給え

その時二種悉地を成し遂げる基礎となる

清浄なる三昧耶の律儀を護持することに

偽物ではない決意を見出したその時は

懸命に護持できるようにと加持し給え

その後に怛特羅部の確信たる二次第の

諸々の枢要を如実に証することに努め

最勝な四座の瑜伽から隔たることなく

勝者の教法通り成就できるよう加持し給え

[廻向]

こうした賢道を示す善知識と

正しい実践の友が堅固に住し

内外の厄障のそのすべてが

速やかに息災するよう加持し給え

いずれの生を受くとも正師たちと

共存し離れずに正法の栄光を享受し

地道の功徳の一切を円満に成し

執金剛位を速やかに得んことを

[跋文]

以上これは沢山聴聞した比丘ロサンタクペーペルがツォコ・ガワンタクパに諭されたものである。すべてに幸あれ。


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