Last Updated: 2024.04.05
ཡོན་ཏན་གཞིར་གྱུར་མ་

功徳の基盤

ジェ・ツォンカパ ・ロサンタクパ
[帰敬文]

至尊大師たちに頂礼します。

[師事作法]

すべての功徳の基盤たる恩深き師へと

正しく師事するのは道の根本である

こう正しく思い殊更に精進する

師事奉行できるよう加持し給え

[有暇具足]

ひとたび得たこの有暇の所依は

誠に得難く意義深きものと知り

昼夜六時常時心髄を実践する心が

絶えることなく生じるよう加持し給え

[下士道次第]

身命の移ろうは水泡の如く

忽滅する死を想起し

死後も身と影の如く

白黒の業果はつきまとう

こうした強き確信を得た後に

小さくとも罪過をすべて断じ

善資を行じ成就せんすることに

常に不放逸たらんよう加持し給え

[中士道次第]

満たされることのなき一切の苦門たる

心を留めるべきではなき俗世の栄華は

過失に過ぎぬと看破し解脱の楽を

強く追及する心が起こるよう加持し給え

この清浄なる思いに裏付けされた

正知正念および不放逸により

教説の根本たる別解脱の

成就を心髄とすべく加持し給え

[上士道次第:共道]

我らが輪廻の苦海に堕しているように

母なる一切衆生もこれに等しい

そう見て衆生済度の重荷を負い

勝菩提心を得るように加持し給え

心だけ起こしても三種の戒を

修習せずして菩提成就はない

こう正観し勝子の律儀に

努め励みて学ばんよう加持し給え

誤境への散乱を鎮めること

実義を正しく考察すること

止と観との双運の道が

忽ちにして相続へ生ずよう加持し給え

[上士道次第:不共道]

共道を修了し器となれるとき

一切乗中の最勝たる金剛乗

賢劫の士のこの最勝の桟橋へ

容易く入れるように加持し給え

その時二種の悉地を成す基盤たる

清浄三昧耶を律儀にて護持し

不作為な確定を得た後に

命を懸け護持すべく加持し給え

その後にタントラ部の心髄たる二次第の

諸々の枢要を如実に証し努め

最勝なる四座の瑜伽行より離れることなく

勝者の教えの如く成就するよう加持し給え

[廻向]

斯くの如く賢道を説示する善知識と

正しく成就する友とたちとが堅く住し給い

内外の一切の障災のそのすべてが

直ちに鎮まるよう加持し給え

如何なる生を受くとも正師と共に在り

別離なく正法の栄光を享受し

地道の功徳一切を円満にし

執金剛位を速やかに得んことを

[跋文]

以上これは沢山聴聞した比丘ロサンタクペーペルがツォコ・ガワンタクパに諭されたものである。すべてに幸あれ。


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