[帰敬文]
至尊大師たちに頂礼します。
[師事作法]
すべての功徳の基盤たる恩深き師へと
正しく師事するのは道の根本である
こう正しく思い殊更に精進する
師事奉行できるよう加持し給え
[有暇具足]
ひとたび得たこの有暇の所依は
誠に得難く意義深きものと知り
昼夜六時常時心髄を実践する心が
絶えることなく生じるよう加持し給え
[下士道次第]
身命の移ろうは水泡の如く
忽滅する死を想起し
死後も身と影の如く
白黒の業果はつきまとう
こうした強き確信を得た後に
小さくとも罪過をすべて断じ
善資を行じ成就せんすることに
常に不放逸たらんよう加持し給え
[中士道次第]
満たされることのなき一切の苦門たる
心を留めるべきではなき俗世の栄華は
過失に過ぎぬと看破し解脱の楽を
強く追及する心が起こるよう加持し給え
この清浄なる思いに裏付けされた
正知正念および不放逸により
教説の根本たる別解脱の
成就を心髄とすべく加持し給え
[上士道次第:共道]
我らが輪廻の苦海に堕しているように
母なる一切衆生もこれに等しい
そう見て衆生済度の重荷を負い
勝菩提心を得るように加持し給え
心だけ起こしても三種の戒を
修習せずして菩提成就はない
こう正観し勝子の律儀に
努め励みて学ばんよう加持し給え
誤境への散乱を鎮めること
実義を正しく考察すること
止と観との双運の道が
忽ちにして相続へ生ずよう加持し給え
[上士道次第:不共道]
共道を修了し器となれるとき
一切乗中の最勝たる金剛乗
賢劫の士のこの最勝の桟橋へ
容易く入れるように加持し給え
その時二種の悉地を成す基盤たる
清浄三昧耶を律儀にて護持し
不作為な確定を得た後に
命を懸け護持すべく加持し給え
その後にタントラ部の心髄たる二次第の
諸々の枢要を如実に証し努め
最勝なる四座の瑜伽行より離れることなく
勝者の教えの如く成就するよう加持し給え
[廻向]
斯くの如く賢道を説示する善知識と
正しく成就する友とたちとが堅く住し給い
内外の一切の障災のそのすべてが
直ちに鎮まるよう加持し給え
如何なる生を受くとも正師と共に在り
別離なく正法の栄光を享受し
地道の功徳一切を円満にし
執金剛位を速やかに得んことを
[跋文]
以上これは沢山聴聞した比丘ロサンタクペーペルがツォコ・ガワンタクパに諭されたものである。すべてに幸あれ。