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菩提道次第略論
2010.03.27
H2 シャーンティデーヴァのテキストに基づいた修習法
これには三つある。すなわち、I1自他を交換することを功徳としない過失に対する考察・I2その思いを修習すれば、〔菩提心は〕起こり得ることの説示・I3自他の交換方法の修習次第。 I1 自他交換を功徳としない過失に対する考察 『入菩薩行論』には次のように説かれている。 誰であれ、自己や […]
菩提道次第略論
K3 増上意楽の修習
このように慈心を悲心を修習した最後に、ああ、私にとって美しくも愛おしくもあるこれらの有情たちは、このように楽に乏しく苦に悶えている、彼らがどのようにすれば幸福に出会い、苦しみから脱っせるのだろうか、と考えて、彼らを解放させるという責務を担うのである。最低でも、言葉で心を修練する […]
菩提道次第略論
J2 その心を起こすことそのもの
これには三つある。K1 慈心の修習、K2 悲心の修習、K3 増上意楽の修習。 K1 慈心の修習 慈の所縁は「楽をもっていない有情」である。行相は、「幸せであればよい」「幸せになりますように」という思いと「幸せにしなければならない」という思いである。 〔慈心の〕利益は、『三昧王経』 […]
菩提道次第略論
L3 報恩心の修習
こうして生死流転してきたことで単に面識がないこと以外には、恩義のある、苦しんでいて救われることのない、自分の母親のことを顧みずに見放ししてしまい、自分だけが輪廻から何とか解脱できれば、と思うことほど恥知らずなことはない。 〔ナーガールジュナの〕『友に与える書』にも説かれている。 […]
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L2 恩を想う
一切の有情は母であると修習した後、まず最初に今生の母について修習すれば〔恩義が有るという感情は〕すぐに起きるであろう、とポトワがお考えになられる通りに修習しなくてはならない。 目の前に母のはっきりとした姿を思い描く。今生だけではなく、輪廻の無始時以来、この人は何度も数え切れないほ […]
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L1 母であると修習する
輪廻には始まりは無いので、自分の生にも始まりは無い。それ故に生死を流転し、輪廻においてこの身は受けていないとか、この方面には生まれてないということは全く無いのであり、〔過去世において自分の〕母等の親族となっていない者など居ないのである、と経典では説かれている。 さらに、過去に母で […]
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K2 一切衆生をいとおしい姿で成立させる
K2には三つ。L1 母であると修習する、L2 恩を想う、L3 報恩心を修習する。
菩提道次第略論
K1 有情に対する平等心を成就する
すでに小士・中士の箇所で説明したように、前行等の諸々の次第をここでも執り行わねばならない。 そこで、まず最初にある特定の有情を好み、ある特定の有情は嫌うという差別化をやめて、平等心(捨)を達成できないのなら、慈心や悲心などが生じててもそれは差別的なものとして生じるに過ぎないのであ […]
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J1 利他を追求する心の養成
J1には二つある。K1有情に対する平等心を成就する、K2一切をいとおしい姿で成立させる。
菩提道次第略論
I2 次第に従った修習そのもの
I2には三つある。すなわち、J1利他を追求する心の養成、J2菩提を追求する心の養成、J3養成した後の果たる菩提心の確認。
菩提道次第略論
K1 知母より慈までの因果関係
一般に単に苦しみから離れたいと気持ちは、その有情の苦しみを何度も思えば生じるのであるが、その心がより容易く強力なものとして堅固に生じるためには、それ以前にその有情が好ましく愛しく惜しむべき形相を伴っていなければならない。たとえば、友人に苦痛が生じるとそれは忍びがたいが、敵対して […]
菩提道次第略論
J2 それ以外の因果がそれの因果とどのようになるのか
J2には二つ。K1 知母より慈までの因果関係、K2 増上意楽と発心の因果関係。 K1 知母より慈までの因果関係 一般に単に苦しみから離れたいと気持ちは、その有情の苦しみを何度も思えば生じるのであるが、その心がより容易く強力なものとして堅固に生じるためには、それ以前にその有情が […]
菩提道次第略論
J1 大乗道の根幹は悲心であるとの説示
I1には三つ。K1初時における重要性、K2中時における重要性、K3後時における重要性。 K1 初時における重要性 大悲で心が揺れ動くのならば、一切有情を輪廻から救い出そうと必ず決意することとなる。もしも悲心が弱ければ、そのようなことを為そうとはしない。だからこそ衆生を余すことなく […]
菩提道次第略論
I1 次第に確信を起こす
I1には二つ。J1大乗道の要は悲心であるとの説示、J2七支の因果関係。
菩提道次第略論
H1 因果七口訣
七支因果とは次のようなものである。正等覚は、菩提心より生じる。この心は増上意楽より生じる。この意楽は悲心より生じる。悲心は慈心より生じる。慈心は報恩心より生じる。報恩心は想恩より生じる。想恩は、知母より生じるのである。この七つである。これについては(I1)次第に確信を起こす、(I […]
菩提道次第略論
G1 菩提心修習次第
H1ジョウォ大師より相承しているものには因果七訣、H2勝子〔自他等換〕に基づいて修習するものとの二つがあると思われる。
菩提道次第略論
F2 発菩提心作法
F2には三つ有る。G1菩提心の修習次第、G2発心の基準、G3儀軌で保持する仕方。
菩提道次第略論
F1 大乗門とは発心のみである
このように大乗に入らなければならないのならば、どのような門から入ればいいのか。それ(大乗)には勝者によって波羅蜜多乗と真言乗という二つが説かれているのであって、それ以外の他の大乗は無い。その二つのいずれの門に入るとしても門は菩提心のみである。それが心相続乗にある時に生じているのな […]
菩提道次第略論
E1 上士道次第修心
このように輪廻の欠点を様々な側面から長く修習することから、一切の有は燃え盛る穴のようなものであると見える。煩悩や苦が寂滅した解脱を獲得したいと思い、そのことで心苦しくなるのである。〔解脱への〕道たる〔戒・定・慧の〕三学処を学べば輪廻から解脱できるし、それはまた上界の栄華のように再 […]
菩提道次第略論
N3 〔精進波羅蜜を〕心相続にどのように起こすのか
精進の発動の功徳とは次のようなものである。『大乗荘厳経論』では次のように説かれている。 善資のなかでも精進とは最勝のものである これに基づきその後のすべてのものを得られる 精進によって直ちに最勝の楽住を得るのである 精進によって有の受容したいものを得るのである 精進によって清浄な […]