アールヤデーヴァ(འཕགས་པ་ལྷ་)は、ナーガールジュナの直弟子で、日本では「聖提婆」として知られています。
アールヤデーヴァの代表的な著作には『四百論頌』(Catuḥśataka-Kārikā)があり、チャンドラーキールティの著したそれに対する注釈書『四百論釈』Catuḥśataka-ṬĪkāとともにチベットでもよく読まれるテキストのひとつです。ゲルク派ではジェ・ツォンカパの直弟子ゲルツァプジェ・ダルマリンチェンの書いた『四百論釈・善説心髄』に基づき学ばれています。
彼の直弟子たる賢者にして成就者たる
内外の学説の彼岸へと至り給われる
龍樹の教えを戴くすべての者の冠飾たる
勝子アールヤデーヴァに請い願わんダライ・ラマ法王14世『ナーランダー十七賢者祈願文』よりまた密教の著作としては、ナーガールジュナの『五次第』についての解説をした『行合集灯』Caryāmelāpakapradīpaが有名であり、いわゆる秘密集会の聖者流の根本テクストとなっている。
- Lang, Karen (1986). Aryadeva’s Catuhsataka: On the Bodhisattva’s Cultivation of Merit and Knowledge. Narayana Press, Copenhagen.
- Christian K. Wedemeyer. Āryadeva’s Lamp That Integrates the Practices (Caryāmelāpakapradīpa): The Gradual Path of Vajrayāna Buddhism according to the Esoteric Community Noble Tradition. New York: Columbia University Press, 2007. xxx + 826 pp. $62.00 (cloth), ISBN 978-0-9753734-5-3.