観音菩薩の地チベットとターラー菩薩
チベット仏教圏ではターラー菩薩に対する信仰はとてもあついものです。それにはこんな伝説が残されています。
ターラー菩薩は、観音菩薩が「すべての衆生を苦しみから救った後に自らが仏になろう」と言われる「船頭のような発心」を起こして地獄をはじめとする多くの衆生を救済したのですが、ある時に、現在のポタラ宮殿があるマルポリの丘から眺めてみるとまだこんなに沢山の衆生が道に迷い苦しみにもだえているのを観て、ああまだまだこんなに救済すべき衆生がいるのか、と挫折しそうになった時に、流した涙から降臨され、その時阿弥陀如来が次のようにおっしゃったと言われています。
息子よ、この地獄の衆生を救済するという大変なことを成し遂げることを苦しみとするのではない。この二人の女形の菩薩があなたの衆生済度を助けるであろう
そして二人のターラー菩薩は観音菩薩に溶けて消えて行き、観音菩薩とともに人々を永遠の幸せの境地であるブッダの境地へと導くためのありとあらゆる活動を助けることとなったと言われています。
またチベット仏教再興の祖ディーパンカラシュリージュニャーニャ(アティシャ)が本尊として信仰していたこともあり、アティシャの弟子のドムトンにはじまり歴代のカダム派のラマたちから信仰を受けてきました。ターラー菩薩は「カーダム・ラチク」(カーダム派の唯一の本尊)とも呼ばれるとても大切な尊格であり、チベットでは宗派を超えてもっとも尊敬され、信仰されているのがターラー菩薩です。
曼荼羅供とは
曼荼羅供養とは、仏さまたちに私たちが享受しているこの世界のすべてを捧げてお祈りをすることを意味しています。もちろんこの宇宙のすべてが私たちのものではありませんが、仏さまに捧げものをする際に、私が享受することができるもののそのすべてを差し上げようというイメージをしながら供物を捧げる方がより功徳が高いといわれています。
これは「イメージによって創り出した供物」と呼ばれるもので、たとえどんな小さなものを仏さまに捧げる際には、実際の物体としてある供物と心で創り出した供物との両方を捧げた方が、自分がもっている小さなものをまあこれでもどうぞと差し上げるよりもより気持ちのこもった贈り物になるからです。
仏さまに宇宙全体を贈り物として、喜んでいただき、より速やかに仏さまの活動が実際の形となって現れますようにと祈るのがこのマンダラ供養で、宇宙全体は『阿毘達磨倶舎論』に説かれるような世界を捧げるのです。
月例供養スケジュール
ターラー菩薩に曼荼羅を捧げる儀式は、福徳を増長する目的であれば、8日、15日、晦日にすべきであると説かれています。日本別院では本山ゴマン学堂の通例に従って、毎月チベット暦の8日の午前10:00から約2時間程度の法要を行っています。
法要概要:
- 法要名: 月例緑多羅四曼荼羅供
- 導師: ゴペル・リンポチェ・ガワン・ニェンダー師
- 日程: 2024年11月9日(土)10:00
- 拠所: 眞光院デプン・ゴマン学堂日本別院
- 供養料: 1,000円/3,000円/5,000円/8,000円/10,000円
ご自身で選択することができます - 配信: 施主のみなさまにはZOOMを利用したライブ配信を行います。
ご祈願の受付
弊会で毎月行っている法要でみなさまの商売繁盛・事業成功・福徳増長・厄災消除・当病平癒などのお願いごとをみなさまに代わってターラー菩薩にお願いします。
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