他学説の否定
ある人が言う、「基体成立ならば、原因・結果のいづれかである」と。認識対象、主題。原因・結果のいづれかであることになる。基体成立であるから。遍充承認済。「その通り」ならば、認識対象、主題。原因・結果のいづれでもないことになる。原因でなく、かつ結果ではないから。「第一証因不成立」ならば、認識対象、主題。原因ではないことになる。(x)の結果が無いからである。「不成立」ならば、認識対象、主題。(x)の結果は無いことになる。(x)は常住であるから。「第二証因不成立」ならば、認識対象、主題。結果ではないことになる。(x)の原因が無いから。「不成立」ならば、認識対象、主題。(x)の原因は無いことになる。(x)の能生が無いから。「不成立」ならば、認識対象、主題。(x)の能生は無いことになる。(x)は生じていないから。「不成立」ならば、認識対象、主題。(x)は生じていないことになる。(x)は常住であるから。
ある人が言う、「原因であれば、結果ではない」と。色、主題。結果でないことになる。原因であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、色、主題。原因であることになる。色の後に生じるものの原因であるから。「不成立」ならば、色、主題。(x)は(x)の後に生じるものの原因であることになる。(x)は事物であるから。原帰謬で「その通り」ならば、色、主題。結果であることになる。(x)の原因はあるから。「不成立」ならば、色、主題。(x)の原因はあることになる。(x)は生じているものであるから。「不成立」ならば、色、主題。(x)は生じているものであることになる。(x)は事物であるから。
ある人が言う、「原因であるならば、質料因である」と。最終刹那の稲妻、主題。質料因であることになる。原因であるので。遍充承認済。「不成立」ならば、最終刹那の稲妻、主題。原因であることになる。(x)の結果は有るから。「不成立」ならば、最終刹那の稲妻、主題。(x)の結果は有ることになる。(x)は事物であるから。「不成立」ならば、稲妻、主題。最終刹那の(x)は事物であることになる。(x)は事物であるから。原帰謬で「その通り」ならば、最終刹那の稲妻、主題。質料因ではないことになる。それ自身の実体の後の相続を主として生起させるものではないからである。「不成立」ならば、最終刹那の稲妻、主題。それ自身の後の実体の相続を主として生起させるものではないことになる。(x)の実体の後の相続は無いから。「不成立」ならば、最終刹那の稲妻、主題。(x)の実体の後の相続は無いことになる。(x)の実体の相続は途切れる寸前であるから。「不成立」ならば、稲妻、主題。(x)の最終刹那は実体の相続が途切れる寸前のものであることになる。(x)は刹那に相続が必ず途切れる事物であるから。
ある人が言う、「壺の原因であれば、壺の質料因である」と。壺の原因たる生物、主題。壺の質料因であることになる。壺の原因であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、壺の原因たる人間は壺の原因であることになる。壺の原因たる生物は有るから。「不成立」ならば、壺、主題。(x)の原因たる生物は有ることになる。(x)は生物の努力より生じている法であるから。原帰謬で「その通り」ならば、壺の原因たる生物、主題。壺の質料因ではないことになる。壺をそれ自身の実体の相続上に実体として主として生起させるものではないから。「不成立」ならば、壺の原因たる生物、主題。壺をそれ自身の実体の相続上に実体として主として生起させるものではないことになる。壺は(x)の実体の後の相続ではないから。「不成立」ならば、壺の原因たる生物、主題。壺は(x)の実体の後の相続ではないことになる。壺は(x)の後の相続ではないから。「不成立」ならば、壺の原因たる生物、主題。壺は(x)の後の相続ではないことになる。(x)は人(補特伽羅ほどがら)であり、かつ、壺というこれは物質であるから。
ある人が言う、「事物の原因たる壺は有ることになる。事物の前に生じている壺は有るから」と。不遍充。「その通り」ならば、事物の原因たる壺は事物の原因であることになる。事物の原因たる壺は有るから。証因承認済。「その通り」ならば、事物の原因たる壺、主題。事物は(x)の結果であることになる。(x)は事物の原因であるから。証因承認済。「その通り」ならば、事物の原因たる壺、主題。事物は(x)と縁起関係にあることになる。事物は(x)の結果であるから。証因承認済。「その通り」ならば、事物の原因たつ壺、主題。(x)が無ければ必ず事物が無いことになる。事物は(x)と縁起関係にあるから。証因承認済。「その通り」ならば、壺の否定基体、主題。事物は無いことになる。事物の原因たる壺は無いから。遍充承認済。「不成立」ならば、壺の否定基体、主題。事物の原因たる壺は無いことになる。壺は無いから。「不成立」ならば、壺の否定基体、主題。壺は無いことになる。壺の否定基体であるから。先の箇所で「その通り」ならば、壺の否定基体、主題。事物は有ることになる。人無我であるから。
ある人が言う、「栴檀の火というこれは煙の原因である」と。栴檀の火、主題。煙の原因ではないことになる。煙は(x)の結果ではないから。「不成立」ならば、栴檀が無い場所、主題。煙は無いことになる。栴檀の火は無いから。遍充承認済。「不成立」ならば、栴檀が無い場所、主題。栴檀の火は無いことになる。栴檀は無いから。「不成立」ならば、栴檀が無い場所、主題。栴檀は無いことになる。栴檀の否定基体であるから。先の箇所で「その通り」ならば、栴檀が無い場所、主題。煙は有ることになる。イトスギの火の煙は有るから。「不成立」ならば、栴檀が無いその場所にイトスギの火の煙は有ることになる。栴檀の無いその場所にイトスギの火は有るから。 ある人が言う、「壺になることが決まっているのならば、壺の原因である」と。土壺の質料因たる粘土、主題。壺の原因であることになる。壺になることが決まっているものであるから。遍充承認済。「不成立」ならば、土壺の質料因たる粘土、主題。壺になることが決まっているものであることになる。土壺になることが決まっているものであるから。「不成立」ならば、土壺、主題。(x)の質料因たる粘土は(x)になることが決まっているものであることになる。(x)の質料因たる粘土は有るから。「不成立」ならば、土壺、主題。(x)の質料因たる粘土は有ることになる。(x)は土壺であるから。原帰謬で「その通り」ならば、土壺の質料因たる粘土、主題。壺の原因ではないことになる。壺は(x)の結果ではないから。「不成立」ならば壺の質料因たる粘土、主題。壺は(x)の結果ではないことになる。(x)が無ければ壺は無いとは限らないから。「不成立」ならば、土壺が無い場所、主題。壺は無いことになる。土壺の質料因たる粘土が無いから。遍充承認済。土壺が無い場所、主題。土壺の質料因たる粘土は無いことになる。土壺の否定基体であるから。先の箇所で「その通り」ならば、土壺が無い場所、主題。壺は有ることになる。金の壺は有るから。「不成立」ならば、土壺が無い場所、主題。金の壺は有ることになる。金の壺の否定基体ではないから。
ある人が言う、「識の質料因であれば識である」と。識の種子、主題。識であることになる。識の質料因であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、識の種子、主題。識の質料因であることになる。識をそれ自身の実体の相続上に実体として主として生起させるものであるから。「不成立」ならば、識、主題。(x)の種子は、(x)をそれ自身の実体の相続上に実体として主として生起させるものであることになる。(x)は認識であるから。原帰謬で「その通り」ならば、識の種子、主題。識ではないことになる。認識ではないから。「不成立」ならば、識の種子、主題。認識ではないことになる。不相応行であるから。「不成立」ならば、識、主題。(x)の種子は不相応行であることになる。(x)の種子は有るから。「不成立」ならば、識、主題。(x)の種子は有ることになる。(x)は事物であるから。
ある人が言う、「(x)が事物の直接結果であれば、(x)である限り事物の直接結果である」と。事物の後に生じているもの、主題。(x)である限り事物の直接結果であることになる。(x)は事物の直接結果であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、事物の後に生じているもの、主題。(x)は事物の直接結果であることになる。事物は(x)の直接原因であるから。「不成立」ならば、事物、主題。(x)は(x)の後の生じているものの直接原因であることになる。(x)は事物であるから。原帰謬で「その通り」ならば、事物の後に生じているものの後に生じているものの前に生じているものであったとしても、事物の結果であることになる。(x)の宣言命題は適切であるから。「その通り」ならば、事物、主題。事物の結果であることになる。事物の後に生じているものの後に生じているものの前に生じているものであるから。遍充承認済。「不成立」ならば、事物、主題。事物の後に生じているものの後に生じているものの前に生じているものであることになる。事物の後に生じているものの後に生じているものの原因であるから。「不成立」ならば、事物、主題。事物の後に生じているものの後に生じているものの原因であることになる。事物の後に生じているものの後に生じているものは、(x)の結果であるから。「不成立」ならば、事物、主題。(x)の後に生じているものの後に生じているものは(x)の結果であることになる。(x)は事物であるから。
ある人が言う、「色の結果であれば、色の直接結果か色の間接結果かのいずれかである」と。色の後に生じているものと色の後に生じているものの後に生じているものとの両者、主題。色の直接結果か色の間接結果かのいずれかであることになる。色の結果であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、色の後に生じているものと色の後に生じているものの後に生じているものとの両者、主題。色の結果であることになる。色は(x)の原因であるから。「不成立」ならば、色、主題。(x)は(x)の後に生じているもののと(x)の後に生じているものの後に生じているものとの両者の原因であることになる。(x)は事物であるから。原帰謬で「その通り」ならば、色の後に生じているものと色の後に生じているものの後に生じているものとの両者、主題。色の直接結果か色の間接結果かのいずれでもないことになる。色の直接結果ではなく、かつ、色の間接結果ではないから。「第一証因不成立」ならば、色の後に生じているものの後に生じているものは色の直接結果であることになる。色の後に生じているものと色の後に生じているものの後に生じているものとの両者は色の直接結果であるから。証因承認済。「その通り」ならば、色の後に生じているものの後に生じているもの、主題。色の直接結果ではないことになる。色の間接結果であるから。「不成立」ならば、色の後に生じているものの後に生じているもの、主題。色の間接結果であることになる。色は(x)の間接原因であるから。「不成立」ならば、色、主題。(x)は(x)の後に生じているものの後に生じているものの間接原因であることになる。(x)は事物であるから。「第二証因不成立」ならば、色の後に生じているものは色の間接結果であることになる。色の後に生じているものと色の後に生じているものの後に生じているものとの両者は色の間接結果であるから。証因承認済。「その通り」ならば、色の後に生じているもの、主題。色の間接結果ではないことになる。色は(x)の間接原因ではないから。「不成立」ならば、色、主題。(x)は(x)の後に生じているものの間接原因ではないことになる。(x)は事物であるから。 ある人が言う、「色の後に生じているものの前に生じているものの前に生じているもの、これは色の直接原因である」と。そうであることになる。色の前に生じているものは色の直接原因であるから。「不遍充」ならば、遍充は有ることになる。色の後に生じているものの前に生じているものの前に生じているものと、色の前に生じているものとの二つは同時に生じるから。
自説の設定
原因の定義は有る。生起させるものがそれであるから。原因・結果・事物は同義である。事物の原因の定義は有る。事物を生起させるもの、がそれであるから。そうなる。事物であれば(x)の生起させるものが(x)の原因の定義であるから。事物の原因を分類すると二つ有る。事物の直接原因・事物の間接原因との二つがあるから。事物の直接原因の定義は有る。事物を直接生起させるもの、がそれであるから。定義基体は有る。事物の前に生じているものがそれであるから。事物の間接原因の定義は有る。事物を間接的に生起させるものがそれであるから。定義基体は有る。事物の前に生じているものの前に生じているものがそれであるから。一切の事物の直接原因と間接原因について同論理である。また事物の原因を分類すれば二つ有る。事物の質料因と事物の協働縁との二つが有るからである。事物の質料因の定義は有る。事物をそれ自身の実体の相続上に実体として主として生起させるもの、これがそれであるから。定義基体は有る。事物の原因たる有為がそれであるから。事物の協働縁の定義は有る。事物をそれ自身の実体の相続ではないものにおいて実体として生起させるもの、がそれであるから。定義基体は有る。事物の原因たる人がそれであるから。土壺の原因を分けると二つ有る。土壺の質料因と土壺の協働縁との二つがあるからである。土壺の質料因の定義は有る。土壺をそれ自身の実体の相続において実体として主として生起させるものがそれであるから。定義基体は有る。土壺の原因たる粘土がそれであるから。土壺の協働縁の定義は有る。土壺をそれ自身の相続ではないものにおいて実体として主として生起させるものがそれであるから。定義基体は有る。土壺の原因たる人がそれであるから。
結果の定義は有る。生起させられたもの、がそれであるから。事物の結果の定義は有る。事物の生起させられたものがそれであるから。定義基体は有る。事物の後に生じているものがそれであるから。事物の結果を分類すれば二つ有る。事物の直接結果と事物の間接結果との二つが有るから。事物の直接結果の定義は有る。事物によって直接生起させられたものがそれであるから。定義基体は有る。事物の後に生じているものがそれであるから。事物の間接結果の定義は有る。事物によって間接的に生起させられたものがそれであるから。定義基体は有る。事物の後に生じているものの後に生じているものがそれであるから。一切の事物の直接結果・間接結果について同論理である。
論難の排除
ある人が言う、「認識対象、主題。事物の原因であることになる。事物を生起させるものであるから。『不成立』ならば、認識対象、主題。事物を生起させるものであることになる。事物は生起させるものであるから。」と。遍充しない。「不成立」ならば、認識対象、主題。事物は生起させるものであることになる。事物は原因であるから。「不成立」ならば、認識対象、主題。事物は原因であることになる。事物は事物の後に生じているものの原因であるから。「不成立」ならば、認識対象、主題。事物は事物の後に生じているものの原因であることになる。事物は有るから。「不成立」ならば、認識対象、主題。事物は有ることになる。人無我であるから。
ある人が言う、「事物、主題。事物の後に生じているものの原因ではないことになる。事物と同時に生じているものの原因であるから。『不成立』ならば、事物、主題。事物と同時に生じているものの原因であることになる。事物と同時に生じている事物であるから。」と。遍充していない。「不成立」ならば、事物、主題。(x)は(x)と同時に生じている事物であることになる。(x)は事物であるから。
ある人が言う、「事物、主題。事物の後に生じているものの原因ではないことになる。事物の後に生じている事物ではないから」と。遍充していない。事物、主題。(x)は(x)の後に生じている事物ではないことになる。(x)は人無我であるから。
ある人が言う、「事物、主題。事物の後に生じているものの原因ではないことになる。事物の後に生じている事物ではないから。」と。遍充しない。「不成立」ならば、事物、主題。事物の後に生じている事物ではないことになる。事物と同時に生じている事物であるから。「不成立」ならば、事物、主題。(x)は(x)と同時に生じている事物であることになる。(x)は事物であるから。
ある人が言う、「事物の後に生じているもの、主題。事物の後に生じているものの結果であることになる。事物の後に生じているものであり、かつ、結果であるから。」と。遍充しない。「第一証因不成立」ならば、事物の後に生じているもの、主題。事物の後に生じているものであることになる。事物の結果であるから。「第二証因不成立」ならば、事物の後に生じているもの、主題。結果であることになる。事物であるから。先の箇所で「その通り」ならば、事物の後に生じているもの、主題。(x)は(x)の結果ではないことになる。(x)は人無我であるから。
ある人が言う、「常住でないものは結果であることになる。常住でない結果は有るから。『不成立』ならば、常住でない結果は有ることになる。常住でないものたる結果は有るから」と。遍充しない。「不成立」ならば、常住でないものたる原因は有ることになる。色がそれであるから。「不成立」ならば、色、主題。常住ではないものたる原因であることになる。常住ではないものと原因との両方であるものであるから。「不成立」ならば、色、主題。常住ではないものと原因との両方であることになる。原因であるから。
ある人が言う、「色、主題。常住でないものたるものは(x)の結果であることになる。(x)は常住ではないものたる原因であるから。」と。対立遍充が該当する。
ある人が言う、「常住でないものたるもの、主題。色は(x)の原因ではないことになる。(x)の原因は無いから」と。その通り、という解答を承諾する。計算した時に、色は、常住ではないものたるものこれの原因ではないと〔その通り〕主張するという計算は正しいからである。
ある人が言う、「柱と壺の二つ、主題。(x)の前に生じているものは(x)の原因であることになる。(x)は事物であるから。」と。その通り、と言うのに対し「柱と壺の両方の前に生じているもの、主題。柱の原因であることになる。柱と壺との両方の原因であるから。」と言うならば、対立遍充が該当する。「その通り」ならば、柱と壺との両方の前に生じているもの、主題。柱の原因ではないことになる。柱は(x)の結果ではないから。「不成立」ならば、柱と壺との両方の前に生じているもの、主題。柱は(x)の結果ではないことになる。(x)が無ければ柱が無いとは限らないから。「不成立」ならば、壺の否定基体、主題。柱は無いことになる。柱と壺との両方の前に生じているものが無いからである。遍充承認済。「不成立」ならば、壺の否定基体、主題。柱と壺との両方の前に生じているものは無いことになる。柱と壺との二つは無いから。「不成立」ならば、壺の否定基体、主題。柱と壺の二つは無いことになる。壺は無いから。「不成立」ならば、壺の否定基体、主題。壺は無いことになる。壺の否定基体であるから。先の箇所で「その通り」ならば、壺の否定基体、主題。柱は有ることになる。柱の否定基体ではないから。
ある人が言う、「柱と壺との二つ、主題。柱と壺との両方の前に生じているものの結果であることになる。柱の前に生じているものの結果ではないから。」と。遍充しない。「不成立」ならば、柱と壺との二つ、主題。柱の前に生じているものの結果ではないことになる。柱の前に生じているものは(x)の原因ではないから。「不成立」ならば、柱の前に生じているもの、主題。柱と壺との両方の原因ではないことになる。柱の原因ではないから。
ある人が言う、「事物の前に生じているもの、主題。(x)の時に事物は無いことになる。事物は(x)の結果であるから。『その通り』ならば、事物の前に生じているもの、主題。(x)の時に事物は有ることになる。事物の前に生じているものというこれは事物であり、かつ、それは有るから」と。遍充しない。「第一証因不成立」ならば、事物の前に生じているもの、主題。事物であることになる。事物の原因であるから。「第二証因不成立」ならば、事物の前に生じているもの、主題。(x)の時に(x)は有ることになる。(x)は事物であるから。
ある人が言う、「事物の質料因は無いことになる。事物の前に生じているものがそれではないから。『不成立』ならば、事物の前に生じているもの、主題。事物の質料因ではないことになる。事物となることが決まっているものではないから。『不成立』ならば、事物の前に有るもの、主題。事物となることが決まっているものではないことになる。既に事物たるものであるから。」と。遍充しない。「不成立」ならば、事物の前に生じているもの、主題。既に事物たるものであることになる。事物であるから。 ある人が言う、「柱と壺との二つ、主題。(x)の質料因は有ることになる。(x)は事物であるから。遍充承認済。『その通り』ならば、柱と壺との二つ、主題。(x)になることが決まっているものが有ることになる。(x)の質料因が有るから。証因承認済。『その通り』ならば、柱と壺との二つ、主題。(x)のであるものが有ることになる。(x)となることが決まっているものが有るから。」と。不遍充。