「私の先生はとても愉快な方だよ」
ゲンチャンパを関西空港へとお送りする電車の中での会話の一言。ゲンの先生とは、現デプンゴマンの現管長(Podcastの「ゴマン学堂ケンリンポチェ・ユンテン・ダムチュー師のお話」参照)。その他を威圧する姿とは裏腹に、正確はとても朗らかな方だそうです。
「ゲンダムチューは、私が日本に行くことが決まって報告に行ったとき、笑われて、『それは良いことだ。日本に行ったら、自分の私利私欲に走るのではなく日本の方に仏の教えを正しく伝えなさい』とおっしゃったよ」
ゲンチャンパには先生は数人おられるそうですが、一番の先生は、ゲンタムチューだそうです。
「師はみな大切だが、中でもやはり仏法を教えてくださった先生は、とても大切だ」
インドの行者ナーローパも、弟子のマルパ翻訳師に、
ラマなきその以前に仏という言葉もない
千劫の仏も諸々のラマに依って生じた
と言い聞かせたと言います。師から教わらなければ、仏教の教えを正しく学び実践することが出来ません。仏教を学ぶ上で、師の存在を欠かすことはできません。だからこそ、チベットの僧院において、師と弟子の結びつきが、とても大切にされるのでしょう。
ゲンが、早く日本に戻ってこられますように。