夕方お茶を飲みながらテレビを見ていると、上海の高級老人ホームの話題がながれてきました。中国の富裕層のお年寄りを対象とした老人ホームで、入居費用はなんと800万。それに別途年間80万程の管理費なるものが必要だそうです。しかし、値段は高いだけあって設備もすごく、看護体制はもちろんのこと、自分の部屋のある建物から食堂まで送り迎えもしてもらえるそうです。
すごいなぁと思って見ていると、ゲンギャウさんが
「どんなに設備がよくても、家族と住んだ方がいい」
と一言。
それに対してアボさんが、
「最近は故郷のリタンにも老人ホームが出来たらしいです。昔はなかったけど、今は結構な人が住んでるらしいです」
とコメント。
アボさんの話によると、子どもがいなかったり、いても親の世話をできないなどの諸事情で老人ホームに入る方が最近は増えつつあるそうです。また、目が見えなかったり耳が聞こえないなどの障害のある人も一緒に住まれるそうです。福祉と呼ばれる制度がチベットにも出来つつあるということでしょうか。
「でも、チベットのお年寄りと日本や西洋のお年寄りは違う。なぜだかわかる?」
とゲンギャウさん。
「西洋や日本の人たちは、老いれば後は死を待つだけ。だけどチベットの人々は年老いて仕事から離れると『さあ、これで仏教に集中することができるぞ!』と、真言を唱えたり、お寺にお参りしたり、説法を聞いたりと大忙しさ。時間を無駄にしている暇なんかない。だからこそ若いときから仏教を勉強をしておくことが必要なんだよ」
私たちが年老い、日々の仕事から解放されたとき、どんな生活が待っているのでしょうか。