2025.04.10
ལྷ་བསངས་རྣམ་དག་ཆོས་སྐུ་མ།

大空に如来や菩薩や八百万の神々が結集し、今年一年の日本のみなさまの善業の実践の際、開運招福のために活動して下さるようお祈りしました

昨日、チベット暦2月12日(2025年4月9日)、本年度の厄除祈願第四会ならびに月例法要として、ゴペル・リンポチェは、日本別院で諸天燻浄清浄法身供養・護法尊供酒の法要を修法し成満いたしましたのでご報告申し上げます。この法要は日本ではあまり知られていないので、どのような内容なのか以下説明させて頂きます。

法要は先ず帰依発心の後、加行分として兜率天からジェツォンカ大師とその弟子や眷属たちを道場にお迎えし、法要の施主ならびにすべての関係者の方々のお名前を奉読し、本日の法要がどのような人々がどのような願いを込めて行われるものであるのか、ということを供養の対象に対して奉告します。その上で、加行分の七支加行分の請願として、ジェ・ツォンカパ大師の『功徳の基盤』に基づいて、諸尊に加持して頂くようにお願いします。

その上で、諸天燻浄をするために、まずリンポチェは本尊怖畏金剛尊として生起し、三世十方の如来・菩薩・荼枳尼天・護法尊・守護尊・財宝天・宝蔵天・この地上の様々な土地の神々、日本の八百万の神々、そして三鬼大権現と眷属の諸天に歓喜して頂くために、供物を陳列披露して、それに本尊の加持をしました。本尊の加持力・如来たちの加持力・法界の加持力によって、乳・酥油・醍醐の三白、蜂蜜・白糖・黒糖の三甘ならびに加持摩尼粒、チベットの様々な高原植物から成る焼香用の香草、はったい粉を混合して作った供物を加持し、神々たちを燻し浄めるのにすべての障害がないような無礙の供物として変化させます。

供物の準備が終わったら、次に諸天たちを天空に集合して頂きます。諸天たちを順々に天空へと招聘しますが、まずは「清浄なる法身の宮殿から、賢劫の千仏、受用身である執金剛、化身である釈迦牟尼如来を本日この天空へと歓迎いたします」と如来を招聘し、それから八大菩薩、十六羅漢、龍樹菩薩などの閻浮提の荘厳、インドの八十人の行者、パドマサンバヴァ・グルリンポチェが引連れる空行母たち、アティシャ、ツォンカパ大師たち、マルパなどの訳経師、ミラレパなどの行者たち、ドムトンパをはじめとするカダム派の祖師たち、サチェンクンガニンポをはじめとする道果説の教法を相承する諸師、ギャルツァプジェ、ケードゥプジェといった菩提道次第の教法を相承する諸師、さらにはそれ以外の菩薩たち、仏典を翻訳する訳経師たち、それを教えてくださるパンディットたち、彼らがすべて天空に結集され、彼らの偉大な慈悲の心で利他行を行い、それを執金剛などの如来たちが承知し、見守ってくださるようお願いします。

引き続き、時輪・呼金剛・秘密集会・怖畏金剛などの無上瑜伽怛特羅の本尊たち、金剛界大日如来をはじめとする瑜伽怛特羅の本尊たち、大悲胎蔵の大日如来をはじめとする行怛特羅の本尊たち、如意輪尊をはじめとする作怛特羅の本尊たちといった四部怛特羅の本尊たちをお招きします。その次に六臂大黒天や吉祥天女をはじめとする護法尊たちをお招きします。

天空に諸天全員が雲のように集結してくださったら次に諸天たちに対して、この地上にいる衆生たちが不信・邪見などの煩悩によって仏の境地を得るために障害を作り出してしまったものを浄化してください、諸天たちの御心に反して罪業を作り出してきてしまったものを浄化してください、諸天たちを煙で燻浄することで、衆生たちのさまざまな障害を浄めてください、とお祈りします。

その上で、供物を火にくべて大量の煙を発生させ、諸天たちを供養していきます。法要ではここから大量の煙が発生しますので、お寺では窓や扉をすべて開放し、お堂のあらゆる場所から煙が溢れ出て、火事になったとご近所の人に心配されない程度に、真光院から空に向かって大量の煙が独特のチベットの香りと共に発生していきます。

煙がもくもくと大量に出始めたら、ここで地主の神に供物を捧げます。地主の神というのは、ここでは日本やチベットの土地を全体を守っている神さまやそれぞれの土地におられる善なる方面の神々のことです。ここでは「私たち師弟の逆縁をどうか取り除いてください。順縁を成就してください。願っていることがすべて希望通りに実現できるようにしてください」とお祈りします。こうお祈りすることで、集結した如来や菩薩や本尊や護法尊たちの援助もあり、長年その土地に住んでおり、その土地に住んでいる人々や衆生たちの善業やよい行いを助けてくださる神々のご加護を促進していただけるようにお願いします。

その上で、さらに護法尊やその眷属である諸天に黄金の飲料である酒類をお供えし、彼らの活動を促進して頂くようにお願いします。護法尊や神々たちのお名前を称え、彼らに呼びかけて、速やかに私たち人間の活動が問題なく実現できるようお願いします。

護法尊たちに活動の要請が終わったら、次にこれらのことによって諸天たちの働きが、私たちの日頃のさまざまな活動における運気として活性化していくようにお願いします。そのことで、これまで運気が失われてしまったものは、ここで復活し、いままでよりも更に強力な運気としてこれから使用できるようになります。

このように諸天を燻浄して、護法尊や土地神の更なる一層の活躍を要請し、私たちの衆生の運気も復活し向上したことで、如来や菩薩たちがそれを祝福し常に吉祥であり、これからも末長く永遠に留まり続けて、私たちが少しでも他人に役立とうとする活動をする際には、常に歓喜の眼差しで私たちを守り、導き、目標を実現してくださるようにお祈りして、一連の法要は満願となります。

諸天燻浄では、このように如来や菩薩や本尊やインドの祖師たちをはじめ様々な諸天を供養していきますが、特に土地の地主、神々を供養することに特徴があります。諸天たちも天空にお招きし、燻浄した諸天たちもそのまま天空を自由自在に動き回り、土地神と共にその土地の人々の安寧と発展のために活躍していただきます。このようなことから、弊会では日本別院のひとつの月例の供養として毎月チベット暦の最初の水曜日にデプン・ゴマン学堂の僧侶の方々に日本で行って頂いており、今回は本年度の一年間の開運招福・厄災消除のご祈願も合わせてゴペル・リンポチェに行なって頂きました。昨日の法要は本年度初の法要でもあり、同時に本年度の厄除祈願の法要のひとつでもありましたので、通常の3倍くらいの供物を火に焼べて供養し、法要自体は2時間くらいで終わりましたが、ヒマラヤの芳しい香りの煙は、夜までずっと日本の空に狼煙をあげ続けていましたので、新学期・新年度の日本のみなさまの活動は、今年も順風満帆であるものと期待されます。

次回の法要は4月30日(水)となります。みなさまどうぞよろしくお願い申し上げます。

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