2024.09.22
སེང་གདོང་མའི་བཟློག་པ།

獅面空行母退魔法次第

デプン・ゴマン学堂旧問答法苑の獅面空行母(中央)・虎面空行母(左)・熊面空行母(左)

先 礼拝発心

仏 法 最勝なる僧伽衆へと

菩提に至るまで私は帰依せん

布施等を行じた本福徳により

衆生利益のために私は成仏せん

三遍

浄三業 我生起 本尊勧請

oṃ svabhāvaśuddhāḥ sarvadharmāḥ svabhāvaśuddho ‘ham.

一切法は自性成就に関し空である空性そのものとなる。

空の境地から種々の蓮が花を咲かせる

太陽の舞台の上に屍体が転がっている

屍体の上へと舞い降りるのは私であり

智慧の天空を行く者 獅子の面をもつ

右脇は智慧の天空を行く虎の面をもつ者

左脇は智慧の天空を行く熊の面をもつ者

我々三尊は首から下は青色の身体である

一面二臂であり 右手は太陽 左手は月

右足は曲げ 左足は伸ばして舞っている

智慧の炎が燃え盛るその中心に鎮座する

頭頂に唵字 喉元に阿字 胸元に吽字

この胸元の種子から光明が放散し

荼枳尼天の本住処から

智獅面空行母よ 十万千万の眷属衆を

仏たちと菩薩衆たちとに囲まれながら

この眼前の空間へといま勧請してゆく

ヴァジラサマヤ。ジャハ。ジャハ。

三世のすべての仏たちを出産なされる方よ

失いかけた誓願や敵や障害を壊滅される方

智慧の天空を飛んで舞われる獅子面の尊よ

大護法尊よ 眷属を連れ いざ降臨し給え

三遍

次 真言念誦

胸元の日輪の上のフーム字の周りに所念の真言が右繞している。 「アカサマラザシャダラサマラヤペ」

出来るだけ多く。珠数玉は外向きに数える

次 退魔請願

ナモー。正師にして摂持者たる諸善知識の真実、本尊および曼荼羅諸尊の真実、諸仏諸菩薩の真実、吉祥護主・護法尊・慧眼を具足される諸尊の真実、殊には、智獅面空行母および一兆の眷属衆の真実、大真実の加持力によって、私たち瑜伽行者の師弟のすべてに対する、瞋恚の意志、凶暴な意志、悪しき意志、粗暴な活動、これらのすべてを灰塵のように消滅させる御業を発動し給え。

三遍

天空を飛び行く荼枳尼天の集団よ

敵対し妨害し呪怨する一切の者の

身体も言葉も灰塵と消し去り給え

識を法界へと解き放ち給うように

三遍

天空を飛び行く荼枳尼天の最勝住処にて

神通と神足を自在とされた最強の方々よ

実践者を捨て置かず我が子と観る方々よ

三密処の荼枳尼天の主尊を私は礼拝する

私たち生物の幸せと善とを奪ってしまう

呪文などの不穏なすべてのものを退けて

あるいはまた無害な別物へと変えてゆき

教行の正法が興隆するために活躍し給え

結 廻向

この善業により速やかにこの私は

智空行母 荼枳尼天位を成就して

ひとりとして衆生を残すことなく

その境地へと導いていけるように

解題

ここに訳出したものは、デプン・ゴマン学堂ならびに日本別院で毎日のように唱えられている経典のひとつである、獅面空行母による退魔法の次第である。獅面空行母とは、獅子の頭部をもつ空行母、ダーキニーのお一人であり、デプン・ゴマン学堂では問答法苑の護法尊として古来を御祀りしている。毎日の朝夕の問答法苑をはじめる際、般若心経、白傘蓋による退魔法と合わせてここに訳出した獅子面荼枳尼天を通じた退魔法を行っておりこれを「三種次第」(クリム・ナムスム)と呼び、二十一多羅尊の礼讃を唱えるのと合わせてデプン・ゴマン学堂の僧侶ならば全員が朝晩と唱えている最もポピュラーな常用経典のひとつである。

日本別院でもこの「三種次第」は通常祈祷法として、特別な法要以外に最も頻繁に行っている儀式のひとつであり、何らかの善業を積集する際に、その善業の積集を滞りなく無益なものとしないことのために、まずは善業を邪魔する魔物たちを退散させることは極めて重要な過程ということができる。修法をする者は、憤怒の形相をした荼枳尼天を自らに観想しながら、より強烈な慈悲心を修習しながら、善業の積集を妨げようとする魔物たちを荼枳尼天が灰塵と退散させ消除するように祈りを捧げるのである。

日本別院でのこの退魔法でのご祈祷

日本別院ではこの退魔法をはじめとするデプン・ゴマン学堂で日常的に行っている儀式を日々修法しております。獅面空行母をはじめとするダーキニーたちは、日々みなさまをお守りし、厄災や病魔を退散させ、無病息災・家内安全・事業発展のために助けてくださっています。ご祈祷のご依頼につきましては以下のボタンよりお申し込みください。

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