2024.06.13

デルゲ版チベット大蔵経仏説部奉納事業・経過報告(2):奉納作業が完了に近づいてきました

デルゲ版西蔵大蔵経の仏説部はすべて赤いインクで印刷されています。

本年チベット暦新年正月より継続しておりますチベット大蔵経仏説部の奉納作業についての追加報告を行わせて頂きます。

現在奉納者を募集している弊会で所蔵しておりましたデルゲ版チベット大蔵経は既に本年2月より大本山大聖院弥勒堂に移送し、各帙毎に布製のゴムで留めてありました留め具のゴムが今後経年劣化により経紙に粘着していくことが予想されるため、そのすべてを除去いたしました。また各帙ごとの全巻全頁に渡り落丁や混乱などを確認し終え、印字が不鮮明な箇所は別本からの補完をするなどといった作業が無事に完了いたしました。これらの作業はチベット暦の四月のサカダワ月が始まる前に、完了いたしました。

またゴペル・リンポチェのご助言に基づき、すでに奉納のご希望を承りました施主みなさまの奉納日として各帙末尾に記載する日付は、吉日が相応しいであろうとのことで、本年の教主釈迦牟尼如来がはじめて説法を行われた転法輪大祭の日(令和6年7月9日)とさせて頂くこととなりました。

現在は各経本の整備も無事に整い、これから同日に向け、みなさまの所願を鑑みながら、各部の当該の経帙を選定し、ひとつひとつの経帙に奉納者名を記載してゆき、同時に奉納者帳や本大蔵経の由来の案内を記した資料を作成していく予定としております。これらの作業がすべて完了した時点で、ゴペル・リンポチェにより略式の善住法要を行う予定としております。

大本山大聖院弥勒堂の本尊弥勒菩薩像の体内には、ダライ・ラマ法王猊下から拝領しました釈尊の仏舎利が安置されており、2006年のダライ・ラマ法王猊下の開眼善住法要の後、これまで毎月八日に釈尊の説かれた根本経典である般若経の注釈である弥勒作『現観荘厳論』を読誦する法要を行い続けております。みなさまからご奉納頂きました経帙は、今後も釈尊のお言葉の所依として、未来永劫、最も重要な宝物として供養されてゆくこととなります。

本弥勒堂は、弘法大師空海が、多くの経典や密教を請来され、唐から日本にご帰朝された大同元年(806年)に開創された大聖院の開創一二〇〇年を記念して、ダライ・ラマ法王猊下が開眼善住供養を粉我、両部曼荼羅の伝法灌頂を行われた聖なる場所です。このたびの仏説の経帙の奉納は、今後のチベット・日本の仏教の法統がさらに一層興隆していくための所依となることは確実です。このような素晴らしい機会に奉納者の皆様が殊勝にして無量なる善資を積集して頂きましたことに心より御礼申し上げますと共に随喜申し上げます。

なお現在『賢劫経』『方広大荘厳経』『解深密経』『入楞伽経』『密厳経』『法華経』『阿弥陀経』『涅槃経』『月燈三昧経』『首楞嚴経』『般舟三昧経』などの日本でもよく知られている大乗経典の殆どが収録されている第五 經部については、未だ奉納者の募集枠がございます。残り枠も僅かとなって参りましたので、奉納ご希望の方はお早めにお申し込み頂けますと幸いです。

数年前から開始した奉納事業も満願へと近づいて参りました。本事業により、過去・現在・未来の十方の無数の如来たちのご加護が速やかにもたらされ、今後の世界平和と仏法興隆、そして人類の発展へとこの善資の果実が実っていきますようスタッフ一同お祈り申し上げます。

表紙部分には『釈尊のお言葉を翻訳した大宝』と記載してあります。
各経本はこのようにひとつずつ紐で留めてあります
経本がバラバラにならないように簡易的に輪ゴムで留めてありますが今回すべてこれを撤去しました
留め具が劣化して経本の横の部分は、若干塗料がはげているものもありました。
弥勒菩薩像の脇には紺紙銀泥の『大般若経』(十万頌般若経)の経本が一帙安置されています。

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デルゲ版チベット大蔵経仏説部奉納事業について、詳しくは以下の関連ページより以前の記事をご参照ください。

日本にデルゲ版チベット大蔵経の原本は東北大学や高野山大学に所蔵されていますが、ダライ・ラマ法王猊下が正式な開眼善住供養をし、本来所蔵されるべき寺宝として扱われ所蔵され、随時諷誦して使用されているものは他には例のない極めて貴重なものです。

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