日本の方ならどなたでも寺院にお参りにいった時にローソクを献灯したり、家庭のお仏壇で燈明に火をつけた経験はあると思います。チベット仏教文化圏でもそれは同じで、仏前には燈明を灯したらいいということは実に当たり前のことではあります。しかしながら実際には何のために、どんな効果(ご利益)を期待して燈明を灯しているのか、と聞かれるとあまりはっきりとは答えられない方も多いと思われます。
そもそも燈明を灯す習慣は、釈尊ご在世よりも前から存在しているもので三世の如来たちも、最初は私たちと同じように燈明で供養することの意味もあまり分からない時から燈明供養で福徳を積まれてこられました。日本別院では、毎日仏前に手作りのバター燈明を、そして眞光院の正式名称に「燈明寺」あるように、チベット・日本の顕密の仏教の交流拠点として、その灯火が決して途絶えないよう燈明供養を行いつづけています。
『律分別』や『仏説大乗施燈功徳経』などの数多くの仏典によれば、三世十方の如来たちも凡夫の時から三世十方の如来に献灯して以下のような功徳を得ていったというご利益があります。
- 現世利益:今世で邪見の原因を払拭し、病災などの逆縁が鎮まるようになる。
- 臨終利益:死に近づくにつれ、今世への執着に惑わされずすべての現象が日月の如く清浄に輝き、財産や遺族などに執着してしまわずに、本尊の姿を直視できるようになる。
- 来世利益:転輪聖王などの最勝なる人身を得て、美しく荘厳で長寿な身体と楽受を得ることができる。
- 究竟利益:無辺の一切衆生を利益できる無上正等覚たる仏位を成就できるようになる。
バターの大海が拡がるこの燭台から
円満に千光を燦然と放つこの燈明が
暗黒の時代の闇のすべてを払ち拭い
衆生たちが諸仏を直接見られるように
十方三世のすべての声聞、独覚、菩薩、本尊、護法尊、師資相承を供養し、無間地獄から有頂天までの全世界の心の闇を照らし出す菩薩の灯明を灯します。チベットでは燈明で使う油はインドで釈尊のご在世の時代からあるバターを使った正式な燈明を灯します。日本別院でもこのバター灯明を献灯される方を募集するほか、拠所である眞光院のご本尊への献灯を募集します。
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