2023.07.22

2023年7月21日 水卯歳初転法輪大祭特別法要成満のご報告

七週後にヴァーラーナーシーの地にて

梵天や帝釈の請願で吉祥偈を説き給い

六月四日に四諦の法輪を転じ給われた

仏世尊 釈迦牟尼仏を帰命礼拝します

ダライ・ラマ第五世ガワン・ロサン・ギャツォ

神々と人類の指導者であり、太陽のご一族、教主釈迦牟尼如来は、成道の相を示された後、梵天・帝釈天たちの要請に応えて、成道後四十九日後には鹿野苑のヴァーラーナーシーの地にて、ただ慈愛の御心ですべての誤った考え方をやめさせるために、五人の従者をはじめとする天人の弟子たちに対して、四諦の法輪をはじめとする八万四千の正法の法輪を転じられました。釈尊の数あるご行跡のなかでも最勝なる行跡とは、法輪を転じられるという行跡にほかならないことは、既にご承知のことと存じます。

釈尊の解かれた正法とは、ことばと思想よりなり、釈尊の説かれた言葉とは、聞思修のすべての過程においてすべての衆生を利益する善なるものです。その内容はすべての衆生が共通して理解できる世俗諦に基づいて、真実を直観できる聖者たちにとっての事実である勝義諦との両方ともを表現した善妙なるものです。その言葉の表現は、私たちの誰にでも理解しやすく、記憶に残りやすく、その言葉づかいや文章も明瞭で絶妙な表現です。そしてのその言葉そのものは、外道の聖典には決して説かれたことがない、無常・苦・無我を説かれた唯一無二であります。一部の煩悩を断じるための手段を説いているのではなく、すべての煩悩を根絶する方法を示す円満なるもので、心性清浄なることを主題とする清浄なるものであり、純潔なものです。

釈尊が我々に示した思想は、真実を直観し、煩悩の病に侵されず、如何なる時にも邪見を断じており、法界に一味に向かい、沙門果・菩薩地の一切功徳を得させる実利を具足したものです。それは真実を直観できる聖者たちの自内証の境地であり、心の妨げをただ外部から表面的に払拭するだけでなく、心の内部から修練させ精神を発展させてゆくものであり、輪廻の一切の過失から解脱した状態にあるものであり、正等覚へと通じさせ、それが生成してくその過程でも、決して相互に内部対立しない三乗五道のすべてを統合し集成してゆくものです。この思想は決して相対的なものでなく絶対的で堅固で確実であり、心が散乱し動揺することのない不動なものです。このような素晴らしき言葉と思想よりなる釈尊の教法を奉じている私たちは、このようなものであると法宝を追念すべきであると、釈尊御自身が『三宝随念経』で仏教を追想する仕方を教えておられ、『三宝随念経』の法宝に関する項目の意味はこのようなものであるとクンケン・ジャムヤンシェーパは注釈されておられます。

このような仏説の法宝随念の精神に基づいて、デプン・ゴマン学堂ではチベット暦第17ラプジュン水卯歳6月4日(2023年7月21日)、僧集一同、如来の初転法輪を随念念し、歴代の善知識の諸讃を奉唱する特別法要を執行し、無事成満いたしましたのでご報告申し上げます。

このたびの法要にあたり善資積集のため御浄志をご寄進いただきました施主のみなさまには深謝随喜を申し上げます。またこの一切の功徳が順縁となり、教法興隆ならびに衆生済度の果実が速やかに異熟してゆき、さらなる利他行を中心としたご活躍をお祈り申し上げます。

初転法輪大祭の供物
献茶供養(デプン・ゴマン学堂集会殿)
デプン・ゴマン学堂集会殿
デプン・ゴマン学堂集会殿
デプン・ゴマン学堂護法堂特別供養
デプン・ゴマン学堂護法堂特別供養

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