このたび第16期寺務局(2021-2023年度)の責任者の任を無事に終えられました、以前日本にも居られましたゲシェー・チェンパ・ドゥンドゥプ師からみなさまにメッセージを頂きましたのでお知らせいたします。
日本のみなさまへ
日本におられるすべてのみなさまにご挨拶申し上げます。みなさまはこれまでと同様に心身ともにより一層発展されておられることと存じます。本日みなさまにお知らせしたいのは、デプン・ゴマン学堂としてはではなく、あくまでも個人的な一人の人間としてみなさまにお伝えしたいことがあります。
私は以前日本に滞在させていただき、その後ゴマン学堂に戻り、本年3月末日までは3年間学堂の寺務局長として勤めました。この3年間の任期を終え、このたび5月末日をもちましてすべての決算処理や次の寺務局への業務の引き継ぎも終え、菅長猊下ならびに学堂16会議より構成する役員会での報告も無事に終えることができました。
私はこの3年間、学堂寺務局の責任者として勤めましたが、3年間の学堂すべての連結決算もすべて問題なく次期寺務局へと引き継ぎすることができました。特にこの3年間の財務収支について、学堂のすべての下部組織の小さな会計にいたるまで、何らの問題もなく、清浄なうちに引き継ぐことができましたことを大変嬉しく思います。
特にこのたびの3年間は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、学堂のように集団生活を行っている施設では、感染症対策に奔走しただけではなく、インド全域での度重なるロックダウンや隔離処理など、これまで学堂では経験したことのないようなさまざまな対策が必要となりました。これまで海外へ僧侶を派遣して行っていた事業も中断し、インドのさまざまな地方や海外からの留学生も先行きの見えない状況のなか、各僧侶たちは実家近くの本国に帰国し、そのまま学業を続ける機会を途絶えさせないためにリモートでの定期試験などをも開催せざるを得ない状況となりました。またダライ・ラマ法王のご指導もあり、本山学堂近隣住民にも食料を支給したり、無料でのワクチン接種の促進事業などにも取り組むこととなりました。
このような状況のなか、私たち寺務局の3年間の任期中には、収入は激減し、多くの支出が必要となりましたので、この3年間の決算は大幅な赤字決算となることもやむ終えない覚悟で臨むこととなりました。しかしながら先日この3年間を振り返って財務状況を精査したところ、これまでの収入は激減したもののも、私たちが予想だにしなかった程、これまで関係のあったみなさまからの温かい支援を受け、全体としては大幅な赤字決算ともなることはなく、決算報告をすることができました。
このような結果をみなさまに報告させて頂けますのも、これまでデプン・ゴマン学堂ならびに私たち学堂の僧侶たちに、変わらないご支援とご理解をいただいていることの賜物であり、特に日本をはじめとする海外の支部ならびに関係者のみなさまの温かいご支援とご配慮にあらためて深く感謝申し上げます。
このたびの感染拡大は、私たちだけではなくみなさまの居住地域を含め、世界全体に大きな影響があり、困難な状況を迎えざるを得なかったことは、みなさまも同じでありましたが、それにも関わらず、チベットのことならびに本山デプン・ゴマン学堂のことを決してお忘れになることなく、常にご配慮し続けて頂けましたことは、誠にありがたく存じます。心より御礼申し上げます。
このたびの3年間常に、学堂の運営状況につきまして過分なるご心配をおかけしてきました皆様におかせられましては、この3年間の状況は、私たちも予想していなかった程、充分なご支援を賜り財務状況も決して悪いものとはなりませんでしたので、みなさまにはどうぞご安心して頂けますようにお願い申し上げます。
以前日本に滞在し、このたび第16期の寺務局スタッフの代表として、日本の法友のみなさま、関係各位のみなさまにあらためて御礼申し上げますとともに、みなさまの今後のご発展を心よりお祈り申し上げます。
2023年5月末日
ゲシェー・チャンパ・ドンドゥプ