すべては縁起している
これを説かれ 戯論を退けた
最勝の教師 一切義の成就者
釈尊 私はあなたに三門礼拝する
新年を迎えるいまこの饗宴で
唯一の母 有界の女王よ
あなたの強い愛を私は想いだす
この普賢の供養の品を捧げ奉る
あなたの栄華は海面をすべて覆う
あなたの楽空の平等性は水月の如く舞う
諸仏の四種の事業を自在とし給われる天女よ
どうか私たちのこれらの仕業を実現し給え
苦しみを棄てんと切望していても
苦悩を生み出すことに忙殺される
これを息災し鎮め給える天女よ
我らがこの貪瞋の煩悩を鎮め給え
遠近の常楽と増上を希求しようとも
自己愛の執着で破滅に追い込まれる
増益に増益を重ね給える天女よ
我らがこの利他の慈愛を増長し給え
衆生の群衆を導きたいと思っても
自制すらできねばその寄る辺もない
強靭なる敬愛で導き給う天女よ
我らがこの心を強く支配し制し給え
逆風のそのすべてを退けようとしても
貪瞋の強さで心は打ち負かされている
降伏を自在とする降伏の天女よ
方便と智慧の道によって降伏し給え
大支那国の一切の衆生たち
彼らを正道へと導くという
この仏菩薩たちの偉大な事業
嗚呼 独母よ 速やかに成就し給え
雪国の教法と政事の復興のため
身体と生命と財産を擲ったものたち
雪山に棲んでいる我が民たちは
慈悲に掬いあげ救済し給え
瑜伽行をなす私の唯一の母よ
嗚呼 これまでの祈願を成就し給え
そしてこの新たな請願を実現し給え
菩提に至るまであなたと決して離れぬように
チベット暦2147年鉄子歳迎春にあたり、唯一の仏母、欲界の支配者たる女王吉祥天女に対する請願文として、釈尊の徒弟、説法者ダライ・ラマが第十七ラプジュン地亥歳12月25日、西暦2020年2月18日記了。