チベット語で「ありがとう」というのは「トゥジェチェ」といいます。
これは「慈悲」の敬語であり、日本語に直訳すると「大悲心」ということです。
「大悲心」とは、仏のもっている慈悲心ことで、「すべての生けるものが苦しみから離れますように」という菩薩たちの偉大なる心のことを表しています。
ですからチベット語で「ありがとう」という場合には、相手の大きな慈悲心を表現しています。
日本語の「有り難う」という言葉には、その相手の行為が客観的に希少価値があることを表現しているのに対して、チベット語のなかにはこのように常に「慈悲」という観念がひそんでいます。
またこの敬語「トゥジェチェ」は「御心を自分の心と交換してみれば、何とも大きなものだ」という風に訳すこともできます。