本日2018年4月25日12:00ころ、ダライ・ラマ法王は、インドの首都デリーでのいくつかの行事を無事に終え、ダラムサラに近いガッカル空港へ無事到着なされました。空港にはチベット人機構の執政ロサン・センゲ首相およびチベット人民議会の議長ケンポ・ソナム・テンペル議長などがお出迎えになられました。
報道陣から本日は当代のパンチェン・ラマのお誕生日であるので、それについてのご意向について質問がでましたが、ダライ・ラマ法王は次のようにお答えになられました。
これは議論のあることです。
中国政府はパンチェン・リンポチェの再臨者をひとり認定され、その後から私もチベットの伝統的な仏教の化身ラマの捜索方法に従って、パンチェン・リンポチェの再臨者をひとり認定したのです。私の希望通り、中国政府が認定したパンチェン・ラマの再臨者は、よい師に師事して、戒律を授かり、教理の学習をなさっておられています。
それに対して、私の認定したパンチェン・リンポチェについて申し上げますと、彼の消息はいままで何もわからない状態となり、どうなったのかもわからない状態ではありました。しかしながら後で、信頼できる情報によれば、彼はいまも存命でいらっしゃり、継続して仏教の教理を学びつつけておられる、ということを聞きました。
いまから100年ほど前、チベットで「ケンツェワンポ」という非常に偉いラマがいらっしゃいましたが、彼の場合にも亡くなった後に、再臨者が5名ほど現れたことがあります。先代の身・口・意・徳・業といった五つの化身が出現したのです。ですので、ひとりのラマにも多く様々に化現することもあることができるということなのです。
このようにダライ・ラマ法王はお答えになり、それから御所宮殿へと無事にお戻りになられました。
このニュースの出典:
Panchen Lama’s 29th Birthday: Birthday wishes in 29 Languages
チベット亡命政権の公式YouTubeチャンネルでは、パンチェン・ラマの29歳のお誕生に寄せられた、29のお祝いのメッセージが動画でアップされています。
パンチェン・ラマとは
パンチェン・ラマとは、ゲルク派の宗祖ジェ・ツォンカパの直弟子ケードゥプジェ・ゲレクペルサンポの化身譜に属するチベットを代表する化身ラマのひとりである。現在の化身ラマの伝統は、かつてダライ・ラマ5世の時代にパンチェン・ロサン・チューキ・ゲルツェンに、タシルンポ僧院の総院長を任命し、その後タシルンポ僧院の本拠地とするパンチェン・エルデニの化身ラマの系譜が確率することとなった。現在の11世の認定にあたっては、ダライ・ラマ法王が認定したパンチェン・ラマであるゲドゥン・チューキ・ニマ師と中国政府が認定したパンチェン・ラマであるゲルツェン・ノルブ師との二人がいるが、通常チベット人は本日お誕生日を迎えるゲドゥン・チューキ・ニマ師を当代のパンチェン・ラマであると考えている。詳しくはこちらから[チベットハウスのウェブページ]