お坊さんたちと話していて思うこと。無駄な話をされない。
人と会話していると、何気なく話しているうちに、最近あった嫌なことや愚痴などを話してしまうことがしょっちゅうあります。嫌なことを他人に話して、理解してもらったと思って満足する、というのなら良いのですが、実際は話しているうちにもっと嫌な気分になってきて、怒りが倍増していることが大概です。
ですが、お坊さんたちと話していると、自身にどんなに大変なことがあっても、おくびにも出されません。「こんなことがあったんですよね?」とこちらが聞くと、初めて答えてくださいますが、それもすぐに話し終わります。反対に、仏教に関することで質問すると、とても熱心に答えてくださいます。こちらが納得するまで、本当にとことんまで。
かといって、お坊さんたちは無口で、ずっと口を噤んでおられるかといえばそうではありません。みんなを笑わせよう、楽しませようと機知に富んだジョークがすぐに口から出てきます。だからお坊さんたちの周りは笑顔で溢れています。
そういえば、東京のゴマンハウスの近くに、天皇皇后両陛下が引っ越しして来られるそうです。事務局長の野村先生との話の中で、
「両陛下は口汚く××はいかんとは言わないよ。日本人としてああいう話し方とかをお手本にすべきだなと思いましたね」
とおっしゃってましたが、こういう風に自分を反省することは大切だなと思いました。
何か愚痴や人の悪口を言いそうになったとき、「お坊さんならこんな話されるかな」と考えてみるといいと思います。「こんな馬鹿な話をしたら、お坊さんたち嫌がるだろうな」と考えてみる。反対に、「こんな話したら、お坊さんたち喜ぶだろうな」と考えるといいですね。人のためになる話、仏教の話、そんな話ならば、すればするだけお坊さんたちの笑顔が浮かんでくるでしょう。いつも心に、先生やお坊さんを思い浮かべるのがいいですね。