なんどもくりかえしくりかえし捲られたペチャ、ひとりペチャをめくる所作は動作でありながら、どの師も止と観の状態であるかのように静寂です。
師の教えは常に釈尊に違わぬように一言一句を忠実に今生でしっかりと弟子へと手渡されます。宮島でのチベット密教畏怖金剛大護摩供はケンスルリンポチェやゲンギャウ、ゲンケルサン、ゲンチャンパ、そしてゲンロサンといった錚々たるゴマン学堂の師がつとめてくださいました。
そして今年はゴペル・リンポチェの日本で初めての怖畏金剛尊の大護摩供となります。現世でしっかりと手渡されたもの。現世でもはや会えなくなってしまった師との強い繋がりが、形骸化されたものでも単なるイニシエーションでもないからこそそれは人々の役に立つのです。
釈尊が望み求めた人々の幸せ、人々がそれを役立て、すべての生きとし生けるものに幸せがおとずれることはけして絵空事ではなく、チベット仏教では綿々と綴られて来ているからこそ意味のある教えであったり、法要であったりするのです。
11月23日(祝) チベット密教 怖畏金剛尊の大護摩供
大聖院の開山 弘法大師を通じて日本に伝えられた密教は、『大日経』『金剛頂経』といった瑜伽タントラが中心であるのに対し、チベット仏教では、中国・日本に伝わらなかった無上瑜伽タントラを中心としています。無上瑜伽タントラに基づく護摩供養は、瑜伽タントラの護摩修法の延長線上にあり、息災護摩・増益護摩・敬愛護摩・降伏護摩の四種護摩に分類されます。ゲルク派の宗祖ジェ・ツォンカパが『蘇悉地経』『勝楽生タントラ』などの経典や註釈を援用して護摩義を大成し、現在もその伝統に基づいて護摩修法がなされています。
無上瑜伽タントラの護摩供養では、瑜伽タントラが胡麻を投入するのに加えて、大麦、吉祥草、米、五甘露を投入し、柴木も蜜分を多く含むものが使用されています。また火天の眷族だけではなく、怖畏金剛十三尊に対する供養もなされ、瑜伽タントラの護摩供養にくらべ、より広大な修法となっております。
この度の息災護摩は、すべての生きとし生けるものが、常に平和で健康な生活をし、長寿を実現し、より一層経済的・精神的に繁栄する祈願を込めて行われます。導師は怖畏金剛を成就し、自他すべての衆生の罪や障を燃やし尽くし清浄にするために様々な供物が捧げられます。小さな水の滴でもそれらが積み重なり大海となるごとく、この護摩供養に対してわずかでもみなさまのお気持ちを奉納することは、「すべての生きとし生けるもののために供養する」という大いなる善業となります。この類い希なる機会にぜひ奉納されることをお勧めして、ご案内申し上げます。御奉納の方法につきましては下記をご参照ください。
日時:11月23日(祝)13:00- 特別法要 怖畏金剛尊の大護摩供
会場:大本山 大聖院(広島県廿日市市宮島町210)
【ご祈願のご案内】
以下の護摩木のセットとお供物のセットを合わせてゴペル・リンポチェがみなさまに代わって怖畏金剛尊に捧げます。
- 添護摩木
- お願いごと(2名さま分ご用意いたしますので、申し込みの備考欄に対象となる2名さまのお名前をお願いいたします)
開運招福・罪障消滅・諸願成就・身体安全・無病息災・厄災消除・先祖供養・良縁成就
供養物
- 全供養物
供養物 : 対するお願いごと
-
- 護摩木(小) : 権勢繁栄
- バター : 開運招財
- 黒胡麻 : 罪障消除
- 芝 : 福寿長命
- 精米 : 福徳増大
- はったい粉団子: 安楽増大
- クシャ草 : 無病息災
- 芥子粒 : 厄障除滅
- 大麦 : 能力増大
- 玄米 : 滋養強壮