現在インドに亡命中のセラ、デプン、ガンデンというゲルク派の三大総本山によって共通して運営されているゲルク派の共通試験が現南インドのデプン大僧院で開催されています。
ゲルク派では地方の僧院で普通の僧侶として過ごしている僧侶たちもいますが、志をもった僧侶たちはセラ、デプン、ガンデンという三大僧院に留学に来て、何十年間も教義の学習をした後に、仏教博士の最終試験である「ゲシェー」の位を目指す僧侶たちも多くいます。「ゲシェー」とは「善知識」という意味で仏教の指導者として、必要な学識を学んだ人たちとなります。
その「ゲシェー」の位にも、各学堂のカリキュラムを終えてその位を取得できる「ドランパ」から、6年間の「ゲルク派共通試験」に合格した最高位の「ゲシェー・ラランパ」まで様々な種類があります。特に「ゲシェー・ラランパ」の試験は非常に難解で、約20年間もの学堂のカリキュラムを終えた後に、論理学・般若学・中観学・倶舎学・戒律学といった基本の5科目を学ぶだけではなく、それらのテキストの内容を暗唱でき、問答でき、他のものに自分の学説を仏典のことばと自らの分析によって説明できなければなりません。
ゲルク派共通試験では各僧侶たちは、各々の学堂で学んできたこれらの学問をさらに極め、問答をする口頭試問・筆記試験の両方を毎年合格していかなければなりません。本年度の試験は8月26日から9月18日までの約1ヶ月間続きますがこの1ヶ月間共通試験に参加している学僧たちは、文字どおり寝食を忘れて、学問に打ち込まなければなりません。
以下は試験の日程表です。