いよいよ春分の日も近く、春らしくなってきました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、「お彼岸」とは、もともとは仏教用語で、お彼岸には御墓参りに行かれる方も多いでしょう。そもそも「お彼岸」と言われるのは、「此岸」(こちら側の岸)ではなく、「向こう側の岸」を表しています。
通常私たちは自己の幸福をのみ追求し、他者のことは後回しにしています。自分や自分の家族やその関係者のことは大切に思うことができても、赤の他人のことは知らない、これが通常の私たちの思考回路です。「此岸」(こちら側の岸)のライフスタイルはほぼこういった思考回路によって成り立っています。
菩薩たちが到達している菩薩行・「彼岸」のライフスタイルはこれとは全く異なります。菩薩たちは自分よりも他者の方が大事だと思う、大悲心に基づき、究極の悟りの境地である一切相智の境地を目指す人たちです。彼らはどんな悲しい出来事や辛い出来事もきにすることなく、ただただひたすら利他の心を貫き通しています。大乗仏教というのはそう言った菩薩たちの教えを説く仏教であり、菩薩たちのそれは一体どのような心境なのか、なぜそんな風に思えるのか、こうしたことを知ることは、大乗仏教の本質を知る上で欠かせないだけではなく、私たちがより良い生き方、より良いライフスタイルを送る上での学ぶべき智慧の一つです。
今年の春のお彼岸に合わせて、GOMANG HOUSE TOKYOでは、ゲシェー・ロサン・ゲレク師を囲んでこの菩薩の生き方を綴ったチベット仏教の菩薩道を説く名作ギャルセー・トクメー・サンポ著『37の菩薩の実践』をダライ・ラマ法王の解説本をもとに共に読んでみたいと思います。
- 日時:2016年3月21日(振休・月)13:00-17:00
- 場所:GOMANG HOUSE TOKYO
- 講師:ゲシェーラランパ・ロサン・ゲレク師
- 参加費:3000円(資料・お茶つき)
- テキスト:『ダライ・ラマ 生き方の探求』
ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ著 /春秋社
http://www.amazon.co.jp/ダライ・ラマ-生き方の探究-ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ/dp/439313320X