『私たちの周りに菩薩はたくさんいらっしゃいますよ』とアボさんはおっしゃいます。
「たくさん?」と、ちょっと驚いて聞き返すと、
『はい。仏さまには色んな仏さまがいらっしゃいます。生きとし生けるもの全てのもののために解脱する仏さま、解脱できるのに生きとし生けるものすべてを救うまで解脱しないで現世にとどまっておられる仏さまもいらっしゃいます。身近にも菩薩はたくさんいらっしゃいますよ。』
「なるほど。マザーテレサとかマンデラ大統領とかですね。」と言うと、
『もちろんそうですが、もっと身近にだってたくさんいらっしゃいます』とおっしゃいます。
以前その話を聞いた時はあんまりピンときませんでしたが、その後、東日本大震災があり、最近では地元広島で大きな水害があり、何の利害もなしに他者のために尽くしている人に触れる機会が増え、あの時アボさんがおっしゃっていたのはこういうことなのかなぁと思うようになりました。
アボさんは『私たちは誰でも菩薩になることができます』ともおっしゃいます。
『それは本当にとても難しいことですが、我々は誰しも菩薩になる可能性を持っています。だから少しでも菩薩に近づけるよう毎日善業を積んで精進すべきなんですよ。』
「じゃあ、アボさんも菩薩ですね。」と言うと、
『いえ、私なんかはまだまだですよ』と笑われました。
…….
先日、ダライ・ラマ法王のティーチングに参加されるためにしばらく別院を留守にされる時、『インドのお寺でお祈りする時はいつもみなさんのことを想っていますよ』と、別院でご祈祷をしているみなさんのお名前と願い事をお持ち帰りになりました。
アボさんはやっぱり菩薩に限りなく近いと思いました。
そして、アボさんがまだまだなら、私は何回輪廻しなくてはならないのでしょうか?せめて来世も人間で生まれることができるように精進しなくてはと冷や汗をかきそうでした。
(※輪廻についての詳しいお話はコチラ >>> “仏教を学んだ上で輪廻を信じる”)
アボさんは来月末に帰国される予定です。