「サヨナラ〜」と手を振ってお客様を見送った後、ゲンギャウが「日本人はあまり“サヨナラ”と言いませんね」と言われたので、
「そうですね。“さようなら”と言うと、本当に別れてしまう感じがするからかもしれません。“また明日”とか、“また会いましょう”とかを使う方が多いですね」と以前お話ししたことがありました。
そして、5月27日、とうとうゲンギャウは故郷のザンスカールへ発たれました。
退任が決まってから、せっかち、、、いえ、几帳面なゲンギャウはお土産を買われたり、新しいアドレス帳を作ったり、帰国の準備を着々と進められていました。
そんな姿を見ると寂しくはなりましたが、ゲンギャウの周りではいつも笑いが絶えず、なかなかお別れを実感できませんでした。
でもやはり、5月11日のゲンギャウのフェアウェルパーティーの頃から、みんなへの挨拶の言葉としていっぱい練習した「どうぞ おげんきで おすごしください」をよく使われるようになり、だんだんお別れの日が近づいているんだなぁと感じてきました。
それでも毎日淡々と普通にお勤めをされ、変わりなく冗談を言い笑わせてくれるゲンギャウを見ていると実感はなく、発たれる前日のみんなでの夕食も楽しく大笑いをし、あんなに準備していたはずなのに夜の9時に荷物のパッキングを始めたり、スーツケースの半分は布団とダウンジャケットだったり、、、
涙なくお見送りの日を迎えることができました。
空港では見送りに来られた方一人一人に「どうぞ おげんきで おすごしください」という言葉をかけられていました。
もちろん何十回も一緒に練習した私にも「どうぞ おげんきで おすごしください」と、そして“サヨナラ”ではなく「また あいましょう」と。
ゲンギャウこそ「どうぞ、お元気でお過ごし下さい。そして3年後にまたお会いしましょう!」。